【夢を達成するために他者をも犠牲にする覚悟はありますか?~『国宝』~】

映画「国宝」の資料 Uncategorized

第1章:夢と欲望、その代償

誰しも自分の夢や目標を叶えるため、日々全力で生きていると思います。

時にはプライベートを犠牲にし、友人との誘いを断ることもあるでしょう。

「一度きりの人生、やりたいことを叶えたい」―そう考えると、「時は金なり」という諺のように時間を夢に注ぎたくなるのも自然なことです。

けれど、それが家族や大切な人の犠牲を伴うとしたら……?

すべての人に優しくできなくとも、身近な人を思いやることさえ置き去りにして、果たして夢を追うことは本望でしょうか。

映画『国宝』は歌舞伎の世界を舞台にした壮絶な人間ドラマ。

俳優・スタッフ一同の底力が伝わってくる、熱量のある作品です。

豪華絢爛な舞台美術、俳優陣の迫真の演技、そしてその表現を捉えるカメラワークの巧みさ―

芸術性に満ちた一本です。

しかし、その物語は決して美しいだけではありません。
各登場人物が抱える葛藤や苦悩、そのぶつかり合いが、観る者の感情を激しく揺さぶります。
私は映画を観終えても、エンドロールを見つめながら、スクリーンを後にしてからも、ずっと考えていました。

この作品が伝えたかったことは何なのか――。
立場や年齢によって受け取り方は変わるでしょうが、私にとっての結論はこうでした。
「自分の夢や欲望に溺れる人間を、反面教師として捉えよう」。

第2章:好きを極める

任侠の世界に生まれた少年、喜久雄。

組の新年会の席で大好きな歌舞伎を自己流で真似て披露してみると、大いに受け、その席に居合わせた歌舞伎俳優、半二郎の目に留まります。

しかしその直後、敵対する組の襲撃により、目の前で父親を失ってしまいます。

身寄りを失った喜久雄を引き取った半二郎は、自身の息子・俊介とともに、彼を厳しく育てます。

2人は良き親友であり、良きライバル。

切磋磋琢磨しながら、やがて若手女形として脚光を浴び、舞台経験を重ねていきます。

出会い、別れ、運命、決断―様々な局面が、彼ら、そして関わる人々の人生を狂わせていくのです。

喜久雄は、歌舞伎家系の出ではないという苦悩を抱えながらも、努力と実力で道を切り開いていきます。

彼の姿は、「好きこそものの上手なれ」という言葉の体現そのものでした。

「歌舞伎が好きだ」「もっと上手くなりたい」―

その強い思いがあるから、厳しい修行を耐えることができ、歌舞伎に捧げた青春を楽しむことができ、力が備わり、師匠に、世間に認められる理由となっていったのです。

夢に向かう皆さん、その夢が好きですか?

一生懸命になれますか?

一心不乱に、没頭できますか?

もしなれるなら、自分を信じて突き進んでください!

第3章:家族より、仲間より、夢/欲望

ただ一方、中盤から物語は狂っていきます。

喜久雄の目から純粋さ、優しさや穏やかが消え、

「芸を極め、歌舞伎界の頂点に立つ」

という欲望で表情も言動も鋭くなっていきます。

その目に宿るのは、緊張感というよりも冷酷さ。

彼は次第に欲望のままに突き進んでいくようになります。

その結果、物語は波乱に満ちた展開へ―

「夢を叶えたい」

その想いは個人の欲望です。

夢を叶えようとする姿は美しく、人生は充実する。

但し、皆さんはご自身の夢や欲にどこまで重きを置きますか?

家族よりも夢を優先しますか?

友達よりも欲を?

仲間よりも渇望を?

この答えは人それぞれ。

また夢に賭ける想いや価値観次第と思います。

「もし自分の想いに全振りしたらどうなる?」

この映画から私はその姿を見せられているようでした。

喜久雄の気持ちを想像すると彼の言動に分からなくもないが、

「なんでそんな行動に?」

「立ち止まって、周りの人の気持ちになって、行動を考えてみて」

という感情が込み上げてきました。

最終章:反面教師

『国宝』は、まさに力作です。

歌舞伎という日本の伝統芸能を、真摯に、丁寧に描こうとする姿勢が画面の隅々から伝わってきます。

役者陣は心血を注ぎ、スタッフ陣は一丸となってこの世界を築き上げた。

歌舞伎のシーンはもちろん、舞台裏や日常のシーンにも圧倒されました。

その世界観も物語も強烈で、「圧倒的な映画体験」でした。

だからこそ、私はこの映画に心をえぐられました。

本当にすごい映画でした。

観る価値は十分にあります。

ただし、豪華な映像美の裏にある物語は、強烈で、観る人の心を容赦なく揺さぶります。

そこは、覚悟して観てください。

夢や欲望に全振りして生きる人生は、果たして「かっこいい」と言えるのか?

その人生を、自分も生きたいと思えるのか?

人生は、自分のものです。

夢を追う姿勢は尊い。

ですが、決して忘れてはいけないものもあります。

家族、友人、仲間――。

任侠の世界で組を率いる喜久雄の父は、それを持っていたように思います。

喜久雄はずっとその姿を見てきたはず、最後の最後まで。

では、なぜ喜久雄は……?

「彼の人生を、反面教師にしなさい」――

この映画は、そう語りかけているように私は感じました。

皆さんの心には、どんな感情が残るでしょうか。

ぜひ、それを教えてほしいです。

映画『国宝』は、観る人によってまったく違う印象を与える作品です。

あなたの感じたことも、きっと誰かの視点になるはずです。

映画『国宝』まさには力作です。

歌舞伎の世界を丁寧に真剣に表現しようと、役者の皆さんは心血注いで稽古を重ねたと思います。

またスタッフの皆さんの気持ちも一つになって歌舞伎の世界を作ったから、圧倒的な映画体験でした。

また歌舞伎以外のシーンも凄まじかった。

だから、私の心はえぐられた。

本当にすごい映画でした。

観る価値は十分あると思います。

但し、歌舞伎の凄みに触れるだけでなく、物語の強烈さに触れることになります。

そこは覚悟してください。

夢や欲望に全振りして生きる人はかっこいいでしょうか?

その人生を生きたいと思うでしょうか?

人生はあなただけのものです。

夢を叶えるために一生懸命になる姿は素晴らしいです。

但し、忘れてはならないものがあると思います。

家族、友人、仲間…

彼らへの感謝、尊さ…

喜久雄の父親はそうでした。

なぜ、喜久雄は…

「彼の人生を反面教師にしなさい」

ということかな?と感じました。

皆さんの心にはどう感じましたか?

余談ですが、私は音楽もまた大好きで、ロックが好き。

CDもレコードも1,000枚以上あります。

そんな私はこの映画にロバート・ジョンソン伝説を感じ、ニヤッとしました。

共感していただける方、いらっしゃいますか?

映画って素敵ですね。

それではまた、次の映画紹介でお会いしましょう!

■参考URL:

映画『国宝』公式サイト
大ヒット上映中|ただひたすら共に夢を追いかけたー

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